人は過去の事は忘れ、今を生きろといいます。しかし、過去を掘り返しながら、人間の姿、在り方を探ろうとしてきた。今を生きなければと思いながらも、過去に鍵を探し求め、気がつけば、生き方そのものを見失い、前に踏み出せない自分がいる。 ・ 強い衝撃で意識が分散し、過去の恐怖や絶望の中に自分が葬られた感覚。置き去りにされた自分の分身。それらの欠片を拾い集める作業は、過去に光を当て、何かを発掘する考古学にも似た感覚です。 ・ 過去に焦点を当て、過去にこだわり、逃してしまった「今」という時間、新しい体験、人との出会い。しかし、満腹では食べ物を受けつけないのと同じで、過去のトラウマが消化しきれていない状態では、新しい体験を受けつけられないのです。 ・ 癒されていない恐怖が慢性化して、魂は体から常に数センチ浮いたまま、そのような無防備な状態で外の世界と関わるのは、あまりにも危険だと自分の感覚が訴え続けるのです。 ・ 未浄化な思いは過去、現在、未来にまで広がり、脳の爬虫類的な本能が危険信号を放つと、不安や怖れに襲われるのです。
魂が抜ける症状を癒す方法|タロットとスピリチュアルで現状と対策を占う
過去に起きた消化しきれない出来事、それを忘れて今を生きるということには、無理があると私も思います。なかったことにして蓋をして更に、感謝や愛でどんどん上から蓋を重ねてみたところで、そこに真実はないものと思います。
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仏教では、中道というお釈迦様の教えを勧めています。中道とは、私達の存在を川の流れを突き進む一本の丸太と捉えた時に、どちらの岸にも近付かず、どちらの岸からも離れすぎない。ちょうど真ん中に位置することを守ることで、いつしか大海へと辿り着くのだという教えです。
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この場合の大海とは、悟りの境地のことを表します。ですから、今のあなたが前に進むためには、過去に焦点を当てることを半分、そして未来に向かって歩み出すことをまた半分として、ちょうど真ん中の『今』を生きるように意識されていくと良いのではないでしょうか。
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考古学者のように、ご自分の内面を過去の出来事を頼りに見つめ続けて来られた今日までの日々が、『今』を逃したということでは決してないのだと思います。それでも『今』という時間は太陽の光が、分け隔てなく私達に平等に降り注ぐように、あなたにも私にも豊かに届けられ続けたのだと思います。
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あなたがお一人で、ご自分自身と向き合われているお姿は、ちょうど修行僧が、山の中で孤独に修行するような姿と似ているように感じました。その日々の中に、豊かな学びのあったことと思います。
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タロット占いで現状を視る
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『抑圧』というカードが出ています。確かに、新しい経験を受けつけることのできないくらい、消化できないままのたくさんの『過去の想い』があなたのお心を埋めていて、これを吐き出さないことには、前に進むことは難しいのだと思います。
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次に出たタロットカードには、座禅を組む女性の周りに、恐ろしげな顔がウヨウヨと取り囲み、何か囁いているような絵が描かれています。この女性が、あなたの今の状況を表しています。
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過去を吐き出さずに抱え込んだまま社会に出ても、このようにあなたの中で消化しきれずにいる過去の亡霊たちが、それと同種のものを引き寄せやすい状態にあるのだと思います。つまり、過去に起きた出来事が、今のままでは再び起こりやすいのだと思います。
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あなたは、どこかでそれがわかっているので慎重になられているのだと思いますし、ご自分のその本能的な感覚を信じてよいのだと思います。自分を守ることは、とても大切なことと思うからです。
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なかったことにして蓋をしても、想いは体の臓器にとどまっていて、消えたわけではないので、慢性病や内臓などの疾患として現れたり、食べては吐くといった過食症に繋がってしまうこと、私自身、痛いほど経験しました。
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魂が抜けるほど辛かった経験や想い。それらの感情を手放す時が来たのでしょう。もう一人の自分が自分に寄り添って、共に感じてあげましょう。自分の心の声に耳を傾けて、自分の一番の理解者になってあげましょう。

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タロットで対策を占う
次のカードには、確実な救いの道が用意されていると表れています。ご自分に起きた出来事や、ご自分のお心をきちんと見つめて向き合ったことで、あなたの内的世界は完成し、タロットに描かれているプラムのように完全に熟して、自然と今の生き方を離れる時を迎えているのですね。
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あなたの中で完成された内的世界を、この物質的な世界へ発信し、ご自分を表現する時を迎えられているのだと思います。これまでに起きた過去の出来事や、その中であなたが感じ続けてきたことなどを、ひとつの芸術的な作品に仕上げるようなお気持ちで、何らかの形にして、世の中へ手放されてはいかがでしょうか。
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最後に、修行僧の絵の描かれたカードが出ました。こちらは『知識を落とす』というカードで、一人の修行僧が、崖の上から教典、教本を捨てている絵が描かれています。「偽りの知識を全部捨てて、自分自身への理解に入りなさい」というメッセージです。「教えられてきたこと全てを捨て去りなさい」という意味でもあります。
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あなたを縛りつけている道徳心、美徳とされてきた生き方、思い方を一度すっかりと捨ててしまう方向が、楽になられるためのヒントなのだと思います。
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もし、私のお勧めしたように何らかの形を取り、内的世界を表現されるのであれば、表現方法を完全に自由に、禁止事項は何も作らずにありのまま、思いのままに表現されると良いのだと思います。
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また、座禅を組んでいる女性の絵のカードが出ていることから、あなたには、大海に向けて背中を優しく押してくれるような存在、人間ではなく、 あなたが絶対的に信頼できる存在をたったひとつだけお心の中に住まわせる事が、今後を生きる上で大切なことになると思います。
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この、座禅を組む女性の周りにウヨウヨしているのは結局は、闇の中を彷徨う生きた人間なのだと思います。ご自分を傷つけるとわかっている場所に出向き、ご自分を傷つけるような人に会いに行くのはやめてよいと思います。
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こういう、心が闇に包まれて世俗の迷いの中にいるような人たちの中に飛び込んでも、また攻撃されて傷つけられ、あなたにとっては逆効果になる可能性があるのだと思います。
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不安や恐怖を抱えたままでも安心して飛び込める場所。私の場合は、観音様をその存在にしています。人間不信であることを受け入れて、人間不信のままそれと寄り添いながら生きる。そのためにも、軸になる部分をひとつだけ絶対に動かない、裏切らない、頼れる存在を決めることが大切なことと思います。
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マリア様でも、お不動様でも、神様でもあなたの信じたい存在に心を寄り添わせ、心の中心に住まわせるようにしてください。そこから、回復するための最初の一歩として始められてもよいのだと思いますし、それだけでも『今』を生きているという感覚を実感できるのだと思います。
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そういえば、以前に出た『言いようのない寂しさ』というこのカード。 ・ 大人になりかけた幼児が、安心毛布を手放せない…そのブランケットとは「心が闇に包まれて、世俗の迷いの中にいるような人たち」から、自分を守る殻だったのではないか?それは、私にとってパニック障害やPTSDという症状そのものだったのかもしれない。 ・ 信じたものが実現するといわれるこの世界。人間不信を自分にまで向けない為にも、自分にだけは正直でいよう。 ・ 自分にとって絶対的に信頼できるもの。それは、外に求めるのではなく、この自分なんだ。自分との嘘偽りのない関係、自分自身との信頼関係を育み育てていく。自分だけは自分を裏切らない、そう心に決めよう。 ・ 自分が嫌だと思うことは、嫌だと言える誠意を自分に見せてあげよう。そして、自分を大事に生かし、自分で自分を助ける意識が、心の温かい人達を引き寄せるのだと。 ・ どんなに疲れてボロボロになっても、いつでもどんな時でも、帰って来れる居場所が自分の心の中にある。自分の中に拠点があれば、自分で自分を支えていける。何があっても強く生きていける。自分の中に心の居場所を作っておくことに勝るものはない。
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